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活動報告

河村建夫氏語る議員立法にかける夢「宇宙基本法の成立」下
2008年8月8日付 科学新聞より転載

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新たな宇宙行政展開で産業活性化、宇宙科学推進へ

宇宙を有効活用するために 前回までに述べてきた宇宙行政を実施していくことで、日本の宇宙開発はどう変わっていくのでしょうか。ポイントは5つです。
第一は、産業活性化のために、政府の計画的な調達である「アンカーテナンシー方式」を採用して、民間投資や人材確保などの事業家を推進する。第二は、専守防衛であるからこそ自前の情報収集能力を持って、厳しい財政状況の中でどうすれば実行できるか、JAXAと防衛省が一緒になって考える。
第三は、宇宙を外交政策としてとらえ、政府が営業マインドを持って海外市場を開拓し、また日米衛星調達についても再検討する。第四は、日本固有の優れた科学技術を保持しつつも、コスト面や人材育成を考慮して、国際宇宙ステーションについての参加の在り方などを考える。
そして第五は、日本の宇宙開発利用発展のためには、官民連携は欠くことのできないものであり、各プロジェクトの役割分担を明確にすることです。
そのうち宇宙を外交政策に取り入れるということに関して、韓国の衛星受注を働きかけています。これは韓国の政府系衛星を日本のH2Aロケットで商業打ち上げできるように、私が自ら営業マンとして、就任早々のイ・ミョンバク大統領に直接お願いにあがり交渉しているものです。

宇宙を有効活用するために 次に、今後の産業の活性化について述べます。
「宇宙産業」という言葉は宇宙基本法で初めて使いました。従来の法体系にはなかったもので、これで国が法的に位置付けて認定した産業になりました。
いままで「宇宙産業」というと、ロケットや衛星の製造といった宇宙機器産業をさしていました。しかし、携帯電話やカーナビ、BS/CSの衛星放送などは、すでに私たちの生活に馴染んで欠かせないものです。
これら産業は、さらにそれを提供するサービスやサービスを享受するためのシステム、端末を供給する機器産業にまで波及します。従来の宇宙機器産業の規模はギリギリ2000億円でしたが、こうした関連産業まで含めれば、実に6兆円規模にもなります。
宇宙基本法では、このような宇宙産業を振興していくため、民間事業者が能力を十分発揮できるように、国が物品や役務の調達を計画的に行うという、欧米では当たり前になっているアンカーテナンシー政策や、民間事業活動であっても国が税制上や金融上の措置その他施策を講じることができるように、第16条にキチッと明記しました。
将来の宇宙利用の姿は防災、安全保障、測位、国際貢献等多面にわらります。
平時と災害時、有事のいずれの場合でも、防災利用、安全保障利用、測位利用を実現し、ひいてはそれが国際貢献にもつながっていくという「総合的な安全・安心」の利用コンセプトに基づいた展開がなされていくわけです。
このコンセプトを具体化した宇宙利用の事例としては、例えばセコム(株)の位置情報現場急行サービス「ココセコム」や、(株)小松製作所の「建設機器稼働情報システム」など様々です。
また中国四川大地震の際には、JAXAが陸域観測技術衛星ALOS「だいち」の画像データを中国に提供して、中国国家防災センターの画像分析で土砂崩れの確認や、ビル・輸送路の損壊状況、堰止湖等の定常観測などに利用されました。
その他にも、超高速インターネット衛星WINS「きずな」を用いた遠隔医療実験、災害復旧作業時の衛星データ活用など幅広い利用事例が挙げられます。
一方、以上の宇宙開発利用とともに、宇宙については科学研究が重要です。宇宙科学の最終目的は「宇宙がどのようにして創られ、宇宙とは何であるか」です。その謎を解明する方法は、(1)小型衛星などを用いた宇宙探査(2)望遠鏡による宇宙観測(3)地上の加速器による宇宙初期の実現、という3つです。
このうち、(3)の方法として謎を解き明かす決定打と期待されているのが、世界が注目する「国際リニアコライダー計画」です。全長30キロメートル超えの地下直線トンネルに加速器を配置し、宇宙の始まりの1兆分の1秒後の状態を再現する構想です。総工費は国際分担で8000億円。今後設計に5年、建設に7年、国際研究所の運営・運転・実験に10年以上を要します。アジア・北米・欧州が協力し、基礎科学史上初の大規模「世界」研究所を設立する計画で、そうした国際研究所をアジア・日本に誘致したいと考えています。
そのほか、宇宙基本法で喫緊の問題として「打上射場」があります。鹿児島県にある現在の種子島と内之浦の2カ所の射場以外に、新たな打上射場を全く新しい場所に設ける必要があり、早急に候補地などの調査を開始する必要があると考えています。
宇宙基本法は、ねじれ国会と言われる中で与野党が政策を調整して法案成立に漕ぎ着けました。今後の政策協議の在り方の参考になるものだと考えます。
「民意を反映させるためにも、議員立法には今後も精力的に取り組む」「法案成立後も、党利党略ではなく是々非々で政策協議する」「法案成立で終わりではなく、施行も政府に一任せず政治主導で官僚を引っ張っていく」ということが共通点だと思っています。

<終わり>


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