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活動報告

河村建夫氏語る議員立法にかける夢「宇宙基本法の成立」中
2008年8月1日付 科学新聞より転載

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宇宙を有効活用するために

宇宙を有効活用するために 前回では、宇宙が重要になってきたことを話したが、どういうことなのか話したい。

我々の身近な生活において、GPSや放送サービスなど宇宙が重要な役割を担うようになってきたにもかかわらず、昨年若干増加したとはいえ、日本の宇宙関連予算はそれまで5年連続で減少し続けてきた。

一方で国際社会に目を向ければ、近年著しい成長を遂げている中国とインドが宇宙開発でも台頭してきている。日本は、国際宇宙ステーションや宇宙科学の分野では世界的に存在感を示しているが、民政分野では大きく水をあけられ、国際的な地位と影響力が低下し続けている。こうした状況を打破するため、宇宙開発利用を国家戦略に位置付ける必要があるという思いに至ったのである。

米国の調査会社のデータでは、日本の宇宙競争力指数は世界で7位。第1位は米国で以下、欧州、ロシア、中国、インド、カナダで日本はこれに次いでいる。欧米やロシアに及ばないのは致し方ないにしても、後発の中国、インドなどの後塵を拝しており、重く受け止める必要がある。

また、ロケットや衛星の製造など日本の宇宙機器産業も、ここ数年は規模が縮小してきて、現在は売上高が約2000億円、従事している技術者数が1900人と、いずれもピーク時の半分になっている。

では、成立した宇宙基本法について以下話したい。
宇宙基本法では目的(第1条)で、[1]国民生活の向上 [2]経済社会の発展 [3]世界の平和及び人類の福祉の向上、の3つをうたっている。
また基本理念として、[1](専守防衛の理念の範囲内での)宇宙の平和利用 [2](総合的な安全保障の観点に立った)国民生活の向上等 [3](宇宙産業の技術力と国際競争力強化を目指した)産業の振興 [4](人類の夢の実現や)人類社会の発展(への貢献) [5](外交戦略に基づいた宇宙開発利用に関する)国際協力等 [6](宇宙開発利用に関しての)環境への配慮、の6つを掲げ、これを法律の第2条から7条までに定めた。

宇宙を有効活用するために しかし、この基本理念を実現して行くには、従来の仕組みでは立ち行かないことが検討過程でわかってきた。例えば宇宙開発を司ってきた文科省は宇宙科学や研究開発に限定され、安全保障や外交分野は所掌外である。総合科学技術会議も権限が弱く科学技術中心でしかない。そのため文科省と防衛省は、宇宙について話しもできないという奇妙なことになっていた。

そこで、このような弊害を打破するために政治主導による宇宙行政へ変換をはかるべく、司令塔としての宇宙開発戦略本部を置き、そこで宇宙基本計画を策定して政府一体となった宇宙開発利用を推進することを目指したわけである。

今後は政策実行の具現化のために、宇宙活動法の制定、JAXAや宇宙開発委員会等の見直しに取り組んで行く必要があると思っている。

宇宙基本法における宇宙政策の決定メカニズムとしては、まず宇宙開発担当大臣の下で戦略的な政策を立案する。この担当大臣は、できれば海洋政策担当大臣とのセットの特命大臣が望ましいと考えている。

また宇宙開発戦略本部において、宇宙関連予算を一括計上し利用府省を含めた政策協議・調整を行う。そこには従来の文科省、経産省、総務省、国交省等とともに、外務省や防衛省も利用府省として参加する。これらの利用府省の活動が進めば、宇宙関連予算のパイ拡大につながる。

総合的な国家戦略による新たな宇宙行政体制が求められるが、産業化、安全保障、研究開発を宇宙開発・利用行政の3本柱と位置付け、戦略的機動性の向上、科学と実用の分離、一定規模の予算確保を推し進めていく必要がある。

自民党では宇宙基本法成立を見据え、基本法の下における宇宙政策の方向性について、今年2月から5月にかけフェーズ1として、政務調査会の宇宙開発特別委員会の下に宇宙基本政策、宇宙科学政策、衛星系政策、輸送系政策の4小委員会を設けて議論してきた。

私は特別委員会の委員長として全体をまとめたり、宇宙科学政策小委員会の委員長も兼務して調査・審議、政策立案に携わってきた。議論の結果を、中間報告「従来の宇宙政策の俯瞰と新たな宇宙政策の確立に向けて」にまとめ、現状の把握と基本法成立後に着手すべき重要事項の提言を行った。

また基本法は自公民の3党合意で成立させたので今後も引き続き政治主導で宇宙政策を考えていくために、3党に加え国民新党の参加も得て「宇宙基本法フォローアップ議員協議会」を立ち上げた。

今後、この協議会でも議論していくことになるが、まずは、宇宙開発戦略本部事務局を政治主導で設置することが重要である。省益にとらわれない人選で、JAXAや民間の方も幅広くと登用していきたいと考えている。

宇宙開発に関わる予算については、各省庁ごとではなく一括管理にする必要があると思っている。一括管理によって、宇宙観関連予算にメリハリをつけ、重複などの無駄を省くことができ、効率的な予算執行によりパイ拡充につながっていく。明確な数値目標は言いにくいが、5年後をめどに「宇宙開発利用予算倍増計画」を掲げたいと思う。

<次週につづく>


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