衆議院議員 山口第3区 河村たけおオフィシャルサイト
T's PARK > 活動報告

文字のサイズを変更できます→


活動報告

岐路に立つ宇宙政策〜「宇宙基本法案」今国会に提出〜 2007年1月29日付 日本経済新聞より転載

画像をクリックするとPDFにて閲覧いただけます。
※PDFファイルを見るにはアドビ社アクロバット・リーダー(無料)が必要となります。

日本の宇宙開発利用のあり方を定める「宇宙基本法案」(仮称)が、与党の議員立法で今国会に提出される。宇宙の防衛利用解禁や宇宙産業強化などが柱で、宇宙政策が大きく方向転換する。法案をまとめている河村建夫・自民党・宇宙開発促進特命委員会委員長代理(元文部科学相)と、宇宙開発委員会の松尾弘毅委員長に、宇宙政策の問題点や宇宙開発の進め方を聞いた。

岐路に立つ宇宙政策〜「宇宙基本法案」今国会に提出〜ー法案の狙いは。
「従来の文部科学省主導による研究開発中心の体制から、実利用を目的とした産業振興や外交・安全保障の視点も加えた三本柱の体制へ見直す。首相を長とする戦略本部を内閣に設置し、省庁縦割りではなく国家戦略として宇宙開発・利用の一元化を主導する」
「小惑星探査機『はやぶさ』など日本には世界に誇れる技術がある。しかし(非軍事目的など)規約が多い現状を放置すれば、いずれ国際競争から脱落して、“宇宙後進国”に成り下がる恐れがある。世界と同水準の法整備が急務だ」

ー安全保障面で防衛目的の解禁が注目の的だ。
「日本の宇宙開発は『非軍事』目的に限定してきた。この足かせをなくせば、高性能な情報収集衛星を開発し、自衛隊が保有することも可能になる。軍拡を懸念する声もあるが、あくまで他国と同じ『非侵略』に合わせるだけ。もちろん敵地攻撃能力を持たない」

ー宇宙航空研究開発機構はどう見直すのか。
「軍事部門を内部に創設しないといけない。所轄官庁の変更も検討する。国家戦略として国が関与するなら、今の独立行政法人を維持するかも検討課題だ。ただこれまで培った研究開発能力の維持・発展や、宇宙科学の推進は引き続き実施していく必要がある」

ー約二千億円程度で、伸び悩む宇宙予算では産業振興は難しいのでは。
「日本も外交や防衛などに宇宙を活用するようになれば新たな衛星需要を掘り起こせる。例えば、発展途上国の通信放送インフラの整備支援などだ。政府が十ー十五年先まで年四ー十基の衛星を長期調達する制度を打ち出せば、衛星ロケットメーカーも人材や予算を投入しやすくなる」
「研究開発目的でない衛星は公開調達する一九九〇年の日米合意で、国内の衛星メーカーは大打撃を受けた。日本の安全保障面で、なるべく衛星を国内調達とするなどの『包括的日米宇宙協定』(仮称)を米国と締結できないか検討したい」

ー法案に盛り込まれる宇宙戦略本部の設置は、省庁縦割りを是正する狙いという。
「現場では、今の文部科学省、宇宙開発委員会、宇宙航空研究開発機構という一連の体制が機能しており、維持すべきだ。文民利用の環状では、宇宙機構の一組織で(日本の宇宙開発の)大部分をカバーしているわけで、実態はそれほどバラバラだとは思わない」
「ただ、総合的な調整期間ができるのはいいことだと思う。縦割り批判もありうる議論。戦略本部では(現場の具体的な案件より)大枠な議論を交わしてほしい」

ー日本には宇宙に関する国家戦略がなかったとの批判が根強い。
「これまで宇宙開発委員会や総合科学技術会議も立派な戦略をつくってきた。つくった人が気に入らないのか、予算の保証がないからなのか。何をもって国家戦略というのか、そこから議論すべきだ」

ー法案は宇宙技術の社会還元も求めている。
「昨今の議論は、極めて直近の成果を求める傾向にあり、長期的な成果への目配りがなおざりになる可能性を危惧している。高度な技術力を世界に誇示することや経済価値の創出も重要だが、将来の生活に役立ちそうな先端技術の開発や科学研究も大切だ。やはり看板には、宇宙開発の象徴である挑戦的な宇宙科学・探査を据えるべきだろう」

ー産業界には、宇宙技術の利用拡大になるとの期待が大きい。
「これまでも宇宙産業の基盤維持という視点は持っていた。ただ国策として産業振興をどうすべきかは答えが見えない。利用者が現れないとどうにもならないし、宇宙開発が商売になりうるのかとの議論もある。やはり官需が基本だ」
「ただ、あまり官需依存だと、民間も自主努力を怠りがちになり(ロケットや衛星の失敗といった)悪いことが起こる可能性がある。民間には自立して世界を相手に商売してほしいという希望も一方にあり、どうバランスをとるかは、非常に難しい問題だ」


←戻る